【ねぇハシマミ】ミックスってなにやってんの?

ハシマミ(@hashimamusic)です。

なんだか毎月収入とお仕事報告だけになってきている気がするので、新しいことを書いていきたいと思います。

本当はノウハウやテクニックなど書ければ良いのですが、私にはそんな大したノウハウもテクニックもないので…。

クライアントさん向けに、普段どのような作業をしているのか、この作業はなんなんだろう…?お金を払ってきちんと作業をしてくれるのだとうか…などなど、ご依頼時に不安に思っていらっしゃいそうな事を少しでも解消できればと思い「ねぇハシマミ」シリーズを始めます。

今回は【ミックスってなにやってんの?】です。

人によって作業の進め方も音の作り方も違いますので、あくまでも「ハシマミはこうやってるよ」ってのを書いていきます。

特に歌ってみたのミックスご依頼が多いので、今回は歌ってみたのミックス作業を中心にお話ししていきます。

ミックスってなにやってんの?

ご依頼をいただいて行う基本的なミックス作業は以下です。(料金参考:カラオケ音源とメインボーカルの2トラック*ミックス/2,000円 ※2020年6月現在)

・コンプ、EQ、各種エフェクト処理(自動ピッチ補正含む)
・大きくリズムがズレている箇所の補正
・ノイズ除去
・細かな音量調整
※自動ピッチ補正は機材によるものなので、今回は各種エフェクト処理に含みます。

*トラック:音源の数です。一つにつき1トラックとカウント。例えばカラオケ音源=1トラック、メインボーカル=1トラック、合計で2トラック。トラックは略して"tr"と表記します。

コンプ、EQ、各種エフェクト処理(自動ピッチ補正含む)

■コンプレッサー

「コンプ」とは「コンプレッサー」のことで、音を圧縮するエフェクトです。

歌・楽器などでどのように使用するか違ってきますが、主に音量を均一にする目的で使われる事が多いです。

殆どの楽曲はAメロは静か、Bメロはサビに向けて少しずつ盛り上がる、サビは盛り上がる、という構成かと思います。

そうするとあなたの歌もAメロとBメロ、サビで音量の差ができます。

そこでコンプレッサーの出番です。

例えば「いつも いつも ありがとう」という歌詞の「つ」と「り」の部分が声を張っていて音量が大きくなっているとします。そこをギュッとコンプが圧縮して、他の部分と均一にしてくれます。

コンプレッサーでの調整は音質の変化が分かり難く、歌い手さんの声質や楽曲によっても設定する数値が異なる為、なかなか難しいエフェクトです。

■EQ

「EQ」とは「イコライザー(Equalizer)」のことで、特定の周波数を上げ下げするエフェクトです。

音には周波数(単位は「Hz(ヘルツ)」)と呼ばれるものがあり、もちろん、あなたの話し声・歌声にもあります。

周波数を細かく上げ下げしていく事で、聞きやすい音に変化させます。

こんな感じに。

左から、低域、中低域、中高域、高域の順番です。

EQも声質によって設定数値が変わります。

コンプレッサーより音の変化が分かり易いので、EQ処理がメインでコンプレッサーは薄くかけるだけでOKな歌い手さんもいらっしゃいます。

■各種エフェクト処理

「リバーブ(エコー)」「ディレイ」「ラジオボイス」「ケロケロボイス」と呼ばれるものを、ご依頼の楽曲の原曲やお客様のご要望に合わせて処理していきます。

「リバーブ(エコー)」はカラオケでもお馴染みですね。歌声に残響を付けて、ホールなどで歌っているような響きにします。楽曲によってたっぷりかけるのか、少しだけかけるのかを調整します。

「ディレイ」は「遅延」という意味で、音を遅らせて聞かせるエフェクトです。先日私が公開したAIきりたんのオリジナル楽曲でも使用しています。

2:13くらいの「ああー」の部分にディレイ処理をしています。

「ラジオボイス」は、ラジオから聞こえてくる篭ったような音です。最近のラジオは良質なので若い方には伝わりづらいかと思いますが、ボカロ曲ですとバルーンさんの「シャルル」の冒頭で使用されています。

「ケロケロボイス」はご存知な方も多いかと思います。日本では中田ヤスタカさんがPerfumeの楽曲で使用をして注目されるようになりました。SEKAI NO OWARIの楽曲でも聞けますね。

上記のエフェクト処理に併せて、自動ピッチ補正をしています。通常のピッチ補正は手作業で一音一音お直しをしておりますが、こちらは機材にお任せなので不自然にならないように薄くかけています。その為、そこまで大きな変化は感じられないかと思います。その場合は、手作業での細かいピッチ補正をお勧めしております。

大きくリズムがずれている箇所の補正

歌のリズムが早かったり遅かったりする箇所の波形を歌詞ごとに切って、カラオケ音源とリズムを合わせる作業です。

基本的なミックス作業では大きくずれている箇所のみの補正となります。オプションで一言一言細かく補正をすることも可能です。

ノイズ除去

録音時にマイクに入ってしまった環境音や、衣服の擦れる音・リップノイズ(唇から出る「ペチャッ」「クチャッ」などの音)を除去します。

ノイズ除去のエフェクトを使用しての処理も行いますが、私は更に細かくやっていきます。

歌声に被らずノイズがあった場合は波形を削除して除去。

たまに歌声に被って「パキッ」や「チャッ」と言うノイズが入っている場合もあるので、波形を超拡大して(赤丸のところがノイズです)

鉛筆ツールで手書きしてなだらかな波形にして、ノイズを消します。

完全に取り除けないノイズもありますので、録音する際はポップガード(マイクを使用した録音時に、息によって「ボフボフ」というマイクの吹かれる音やノイズを軽減するものです:以下リンク参照)を使用してくださいね。

細かな音量調整

一番最初にお話しをした「コンプレッサー」で音量を均一にすると書きましたが、それでもまだまだ音量の差はあるので、手動で調整していきます。「オートメーション」と呼ばれます。

黒い線が音量です。

気になる箇所の音量を上げ下げして、自然に聞こえるように細かく調整していきます。

ほんの少し上げ下げするだけでも聞き易くなります。

最終確認

ミックスの最終確認は数種類のイヤホン、ヘッドホン・スピーカー・iPhoneで行っております。

理由は、クライアントさんやそのファンの方がどんな環境で聞くか分からないからです。

イヤホンやヘッドホンなどは種類によって特徴や音質が全く異なりますので、どれで聞いても違和感があまりないように最終調整をします。

こんな感じでやっています

“ミックス"なので、もちろんカラオケ音源やコーラス(あれば)とのバランスを取る作業もありますが、一番メインの作業はこんな感じでやっています。

コンプレッサー・EQ・リバーブやディレイなど、画像で使用している以外にも種類があり、歌い手さんの声質によって使い分けています。

私のミックスが少しでもお力になれたら幸いです(^ ^)