ステレオとモノラルってどっちがいいの?どんな違いがある?歌を録音する時、ミックスを依頼する時のデータはステレオ?モノラル?
音楽や、音声などを扱う時によく聞く「ステレオ」と「モノラル」。どちらのほうが音がいいなど、違いがあるのでしょうか?
また、ミックスを依頼する時に「ボーカルデータはモノラルでお願いします」なんて、当たり前かのように言ってくるミックス師さんもいらっしゃるので、「そうは言われてもよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
今回は【ステレオとモノラルの違い】についてです。歌ってみたミックスのご依頼時など、よくご質問をいただきます。音響専門学校卒・2018年〜歌ってみたやオリジナル曲を180曲以上ミックスをしている[ハシマミ]が解説していきます!
目次
ステレオとモノラルどっちがいい?
正しく扱えばどちらも良いです。
ステレオにすれば音質が良くなっていいのでは?と思う方も多いのですが、モノラルのものはモノラルで、ステレオのものはステレオで正しく録音をしたりデータの取り扱いをすることが大切です。
ステレオとモノラルの違い
モノラルは1台以上のスピーカーがあれば再生ができる音源、ステレオは2台以上ないと再生ができない音源です。
「再生」というか「そのように聞こえない」と言った方が良いでしょうか。
モノラル音源は1台のスピーカーで聞いても2台のスピーカで聞いても、全ての音が真ん中から鳴って平坦に聞こえます。
ステレオ音源は左にエレキギター、右にアコースティックギター、真ん中にボーカルとベース…と左右に広がって鳴るので立体的に聞こえます。
最近はサラウンド(映画館などの音響設備)、バイノーラル(音が3Dで聞ける)などより立体的で臨場感がある、あたかもその場に居るような感覚になる音楽や音声を聞ける時代になりました。
現在のテレビ・ラジオ・音楽のほとんどはステレオ以上の仕様になっていますが、昔のテレビやラジオ・レコードはモノラルでした。
歌の録音はステレオ?モノラル?
歌を録音する時はモノラル
歌の録音をする時は「モノラル」で録音をします。
マイクは一本で録音しますよね。ケーブルも一本だけ繋がっていますね。
一本=モノラルです。
スマホやiPhoneもマイク部分は一つしかないので、モノラルで録音されます。
DAW(録音・作曲ソフト)でモノラルトラックを作成して、実際に録音をすると波形はこのように1つです。
オフボーカル(カラオケ)音源は基本的にステレオなので、波形はこのように2つです。
ステレオで録音をするものはキーボードやシンセサイザーなど、音が左と右(LR)2つから出力されるものや、ドラム全体の音を2本のマイクで録音をする場合などです
歌のデータ書き出しもモノラル
モノラルで録音した声や楽器はモノラルで書き出し(エクスポート、またはバウンスとも言う)、ステレオで録音した楽器はステレオで書き出します。
ですので歌のデータを書き出す際も、モノラルです。
ステレオで書き出されたボーカル音源でもミックスは可能ですが、モノラルの音源と比べてデータの容量が大きくなってしまうのと、ミックス時のエフェクト処理などの関係で少しだけ音質に変化が出てしまう可能性があります。
他にも、”パン(Pan)”と呼ばれる音の定位置を決める作業があり、例えばほんの少し右の位置に音を置きたいと操作をする場合、モノラルだと1つ動かすだけでいいのですがステレオだと2つ動かすことになります。
モノラルだと1つ動かす※使用するDAWにより表示形式は異なります。
ステレオだと2つ動かす※使用するDAWにより表示形式は異なります。
ほとんどのミックス師さんがステレオで貰ったデータはモノラルに分割をしてミックス作業をされていると思います。
ですが、DAWによってはモノラルの書き出しができないものがあります。GarageBandではモノラルでの書き出しができないようです(録音はモノラルでできます)
書き出した音源がステレオかモノラルかわからない場合は、書き出したファイルのプロパティや情報を見てみましよう。
Macは音声ファイルを右クリックして【詳細情報】の部分で確認ができます。
Windowsは音声ファイルを右クリックして【プロパティ】です。
以下はMacの詳細情報ですが、モノラルならオーディオチャンネルが『1』になっています。
ステレオならオーディオチャンネルが『2』になっています。
形式にあわせて正しく扱う
最初にお話しした通り、モノラルのものはモノラルで、ステレオのものはステレオで、正しく扱えば”どちらが良い”ということはありません。
ステレオで録音された楽器をモノラルで書き出しをする、ステレオで立体的にミックスをされた音楽を1台のスピーカーで聴くなど、これでは楽器やミックスの迫力がなくなってしまします。
意図があってそうするのであれば別ですが、形式にあわせて正しく扱いましょう。
”いい音”はステレオだけでは作れない
”いい音”は目に見えません。聞く人の判断にもよりますので、一概に”これがいい音”と断言するのは難しいです。
音響的なお話をすると、録音をする時の設定や書き出しをする時のファイル形式にもよります。
録音する時の設定は「サンプルレート」「ビットデプス」が関わってきます。
書き出しをするファイル形式は「WAV」や「mp3」などが関係してきます。
【サンプルレート・ビットデプス】についての記事はこちら
【録音時の設定は?】サンプルレート・ビットデプスって?なんなの?
【WAV・mp3の違い】についての記事はこちら
【違いは?】WAVとかmp3とかよく聞くけど…なにが違う?
また、音を聞く環境も大事です。
100円均一のイヤホンで聞くのと、10,000円のイヤホンで聞くのとでは、明らかに違いが出てくるはずです。
ただし、100円均一のイヤホンが”いい音”と感じる人がいるという事も覚えておきましょう。
“いい音”で歌の録音・ミックスをするには?
録音をする機材や録音環境などが大切です。
スマホやiPhoneに録音するより専用のマイクを使用したほうがいいですし、自宅で録音するより防音設備のあるスタジオで録音するほうがいいです。
「音カケラ」では、お客様のご予算・ご要望に合わせてボーカル録音、ミックス・マスタリングが可能です。
クリエイターは女性。女性ならではの視点できめ細やかに対応、お客様との丁寧なコミニュケーション、そしてお客様の作品とのコミュニュケーションも取ることを心掛けており、クライアント様もその作品に触れるファンの方たちにも喜んでいただけるよう尽力させていただきます。
歌い手さん・Vtuberさん、声優さん、バンド・アコースティックのパラミックスなどなど…各ジャンル承っております。各エフェクト(ケロケロボイス / ラジオボイスなど)、マスタリングまで対応。
声優の田中理恵さんのミックスもお任せいただいております。
歌ってみた初心者さん歓迎、スタジオでの録音が難しい場合はスマホ・iPhone録音でもOKです(音質改善には限りがあります)
どのオプション(ピッチ/リズム補正)を付けたらいいかわからない…など、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。