特に初めての依頼を検討している方は、依頼内容や作って欲しい曲のイメージをどうクリエイターに伝えたらいいか、悩みますよね。
今回はBGM作曲依頼時にどのように依頼内容や曲のイメージをお伝えいただくとスムーズか、クリエイター目線で書いていきます。
すでに依頼をしたことがある方も参考になると思いますので、最後までお読みいただけたら嬉しいです。
目次
なにを伝えたらいい?
【完成イメージに近い参考楽曲】
これが一番早い、あなたとクリエイターのイメージ共有かなと思います。
もちろん言葉や文章、イラストや画像などもOKです。
ただ、100%完全にイメージ通りのBGMをクリエイターに作ってもらうというのは非常に難しいです。
それは、音楽などの芸術分野は【人の感性】が大きく関わってくるからです。これも後々お話します。
では、なるべくイメージ通りに曲を作ってもらうには依頼時に何を伝えたらいいか、それぞれ見ていきましょう。
完成イメージ参考楽曲
YouTubeのURLをお問い合わせ時のメール本文にコピペしてください。
サブスクのURLも良いですが、クリエイターがどのサブスクに登録しているかによります。
私はAmazonMusicなら登録しているのでURLを送っていただいても良いですが、他のサブスクは登録をしないとフルサイズで聴けないので、ご遠慮ください。
あとはmp3やWAVなどの音声ファイルを添付いただくのもOKです。
私は参考楽曲をいただいたら、構成(最初は静かなのか最初から盛り上がるのかなど)、テンポ感や使用している楽器などなど…楽曲全体の情報を聞いています。
”木を見て森を見ず”という言葉がありますが、”楽曲全体の情報=木を見ず森を見る”といった感じです。
参考楽曲と同じだとオリジナリティがありませんし、著作権(※1)に引っかかる恐れもありますので、いい意味で真剣に聞いていません。
参考楽曲が私のフリーBGMなどであれば著作権(※1)はハシマミにありますので、「この曲にかなり近いもので」とリクエストをいただければそのように作曲します。
ただし、ハシマミは参考楽曲を受け取っただけでは、あなたが楽曲の【”どこ”をイメージしていて】【”なに”を参考にして欲しいのか】などの細かい部分まではわかりません。
楽曲全体を参考にして欲しいなら良いのですが、雰囲気と構成だけを参考にして欲しいのか、雰囲気はそのままでテンポを参考楽曲よりも遅くして欲しいのか、参考楽曲はバンドの楽器を使っているがオーケストラの楽器を使って作って欲しいのか、など補足があれば教えてください。
音色については著作権(※1)が発生しないので、参考楽曲で使われているアコースティックギターの音色だけを参考にして欲しい場合、「伴奏は”アコースティックギター”の音色に近いもので作って」などをお伝えください。
「森を見ず木を見てくれ!」と私に指示していただくような感じです。
これはハシマミだからこのように細かく伝えて欲しいわけでなく、他のクリエイターも同じだと思います。最初にも書いたように、音楽は人の感性が大きく関わるので、イメージの共有はある程度細かいほうが伝わります。
参考楽曲のメロディとそっくりなものを作ると著作権侵害になります。いわゆる「盗作」です。
そっくりなメロディで作りたい場合は、「著作者(作った人)」に許可を取らなければなりません。
参考楽曲で使われている楽器の音色を真似したり、楽曲全体の音質を真似するのは著作権侵害になりません。
【著作権】についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください
【譲渡?買取?】BGM作曲を依頼する時の著作権について
制作している作品の資料・類似資料
あなたが制作中の作品の、
・一部の動画
・ひとコマのイラスト
・背景・登場キャラクターのイラスト
・あなたの前作品
自分の作品ではないけど「こんな作品になる予定」の参考作品ページURLなど。
公開できる範囲で構いませんで何かしらの素材をいただければ、作品の世界観やキャラクターの特徴などに合わせて作曲します。
ただ、いただいた素材を見てハシマミがイメージした曲になるので、あなたのイメージとはかけ離れる可能性もあります。
作品資料と合わせて、下の言葉や文章も伝えていただくと良いかもしれません。
言葉や文章
あなたの作品のストーリー・あらすじ概要などの文章、曲やメロディを表す言葉・音色を表す言葉などです。
言葉か文章のどちらかだけで伝えていただくのもいいですが、この場合のイメージ共有は難易度が高いと思います。
あなたの作品のストーリーやあらすじ概要”だけ”をハシマミに提出。あなたは『〇〇に「××が▲▲だった」と伝えられた主人公は暗澹した』というシーンにBGMが欲しいとしましょう。
そしてハシマミに「『〇〇に「××が▲▲だった」と伝えられた主人公は暗澹した』というシーンにBGMが欲しい」と”だけ”伝えたとしましょう。
もちろんここまでの情報でも作曲はできますが、あなたは”主人公が暗澹した”イメージから『不穏な雰囲気の低音が静かに鳴っている』という曲を想像していて、ハシマミは『パーカッションが鳴る緊迫したような曲』を作ったら?
あなたのイメージ
ハシマミが作曲
逆も然りです。「不穏な雰囲気の低音が静かに鳴っている曲をイメージしています」だけですと、ハシマミは「ストーリーの全体?どこか一部のシーン?」となってしまいます。
ですので作品のストーリーやあらすじ概要の文章と一緒に、どんなBGMをイメージしているかを言葉でお伝えください。
上の「作品資料」と合わせてお伝えいただくと、よりスムーズです。
そもそも参考音源の検索、言葉での表現方法がわからない
私のフリーBGM公式サイトにはホラーやダーク系のBGMが多いですが、その他のサイトには明るめ・優しめの楽曲もあります。
- 公式サイト:ホラー・ダーク系が中心
- AudioStock:明るめ・優しめもあり
- DOVA-SYNDROME:明るめ・優しめもあり
- ニコニ・コモンズ:明るめ・優しめもあり
公式サイトは[ホラー]や[ピアノ]などカテゴリー別にも分かれていますし、その他のサイトにもBGMの説明がありますので、イメージの曲探しや言葉でお伝えいただく場合の参考になるかと思います。
例えばこの曲。
公式サイトには、『ホラー』のカテゴリーにあり、『ピアノが中心の薄暗く重たいホラー曲』と説明があります。
ですので、
と、お伝えいただければOKです。
AudioStockでも見てみましょう。
『グロッケンメインの明るく可愛いらしい曲』と説明があります。
グロッケンとは鉄琴の一種の楽器ですが、これがわからなくても大丈夫です。「こんな感じの楽器を使った可愛いらしい曲」とお伝えください。
”お任せ”でもいい?
特にイメージがないという場合は、ハシマミにお任せいただいても構いません。
その場合でも作品の一部資料、言葉や文章などを頂戴しないと作曲が進みませんのでいずれかはご提出ください。
『ホラーゲームの逃げるシーン』、『サスペンス系の舞台で主人公の恋人が亡くなるシーン』など簡易的なものでもかまいません。
イメージと違ったら修正・調整してもらえる?料金は?
もちろん、修正・調整はします!
これは私だけでなく、他のクリエイターも修正・調整は対応しています。
無料で対応なのか、回数制限があるのか、有料なのかはクリエイター次第です。
ハシマミは無料で対応しております。
ただし、別ジャンルに変える(ロック→オーケストラ)、メロディをいちから作り直す、伴奏を全く違うアレンジに変更する、違うパターンの音源をたくさん聞き比べたい…など、新たに作曲作業をする、それ同等の作業になる場合は有料でのご対応です。
有料の修正・調整料金はクリエイターにより様々です。
例えば、60秒のBGM制作の料金が30,000円だとします。
修正・調整一回につき一律3,000円とか、回数無制限で制作料金の半額(15,000円)で対応とか、修正・調整内容によって変動するため改めて見積もり、などがあります。
私は、新たに作曲作業が発生する場合は内容によりますが制作料金の50%〜、その他無料対応ができない修正・調整は内容によって改めてお見積もりをしています。
もし、最初にご提出いただいたのがあなたの作品の一部資料や言葉・文章だけの場合は、修正・調整の時に参考楽曲を教えてくれると助かります。
私がラフ音源を提案した後でも構いません。そのラフ音源を聞いてあなたに完成イメージが浮かんだのなら、私も嬉しいので。改めて教えてくださればそのように修正・調整します。
やっぱりイメージと違う!
最初に書いた【感性】について少しお話させてください。
感性は人により違います。
それは、日常生活の中で見てきたこと・もの、触れてきたこと・もの、味わってきたこと・ものなどの経験がその人によって異なるからです。
あなたが「怖い音」と感じる音が、ハシマミには「優しい音」と感じるかもしれません。
ハシマミが「爽やか」と感じるメロディが、あなたは「悲しい」と感じるかもしれません。
あなたが「キラキラ」と感じる音が、ハシマミには「ふわふわ」と感じるかもしれません。
自分の中にある感性が相手の中にあるとは限りませんので、それを伝えるというのは非常に難しいですし、あなたとクリエイターのイメージが完全に一致することはほぼありません。これは頭の片隅においていただけたらと思います(もちろん、クリエイターもです)
だけですと、
となってしまいます。もちろんクリエイターは『ちょっとわからないな…』と思えば、「どんな音ですか?参考楽曲などはありますか?」と必ずあなたに質問しますが、あなたも『このほうが伝わるかな?』と言葉や文章などを少し工夫していただければ、クリエイターは非常に助かります。
もしハシマミがその音を”怖い音”と感じなくても、あなたが思う”怖い音”がわかるので、『なるほど、この音か…
となるわけです。
ご依頼で制作するものはクリエイターひとりでは作れません。あなたのイメージや言葉や文章がとっても大事になってきます。どちらかひとりが作っているのではなく”一緒に作っている”と、お互いの歩み寄りが大切かなと私は思っています。
ではその他に、依頼をする時にクリエイターに伝えるといい項目はあるのでしょうか?この後に書いていきますので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
5W1Hを活用
作って欲しい曲のイメージも大事な項目ですが、”ご依頼内容”もお伝えいただけるとクリエイターは助かります。
お伝えいただく方法やテンプレートの決まりはありませんが、ビジネスなどで使われる【5W1H】の活用もいいと思います。
5W1Hとは、[When(いつ)][Where(どこで)][Who(だれが)][What(何を)][Why(なぜ)][How(どのように)]の英単語の頭文字を取ったものです。
これを音楽制作依頼で考えると、
- When(いつ):納期。〇月〇日までに欲しい、1週間程度で欲しいなど
- Where(どこで)・Who(だれが):使用用途。ゲーム用BGM、YouYube動画BGM、舞台劇伴など
- What(何を):あなたが制作している作品について
- How(どのように):希望する曲のイメージ
【4W1H】でも良さそうですね。
依頼内容や楽曲イメージの共有に間違いがないよう、ハシマミからもクライアントさんに質問している項目です。
イメージ通りのBGM作曲依頼をするには?
「音カケラ」では、お客様のご予算・ご要望に合わせてオリジナルのBGM/劇伴制作をいたします。
クリエイターは女性。音楽制作の依頼が初めての方でも安心してお取引きができるよう、女性ならではの視点できめ細やかに対応、お客様との丁寧なコミニュケーション、そしてお客様の作品とのコミュニュケーションも取ることを心掛けており、クライアント様もその作品に触れるファンの方たちにも喜んでいただけるよう尽力させていただきます。
もちろん、あなたのイメージに近いBGMを全力でお作りします。
クリエイター
➖ ハシマミ➖
音響専門学校卒・ピアノ歴31年
作品やストーリーの情景、登場人物の心情に寄り添う曲作りが得意。絵や映像、文章や写真などからインスピレーションを受けて制作を行うことが多い。
「この作品が”遺作”だと思って毎回作っている」